裏方のプライド。 ープロジェクト紹介ー

湊改修第01-01-1号
高知港改修工事
土木事業-港湾土木

土木事業 港湾土木部  の高知新港のケーソン工事プロジェクトです。ケーソン(防波堤を作る際に使われるコンクリートの箱)を新設する場合、通常は陸や船の上でケーソンを作ってから据え付けますが、今回の工事は以前置いていたケーソンの中の砂などを抜いて再利用する珍しい工事です。
お話させていただくのは、当工事の担当者である統括所長の弘田、宮本、現場担当の山岡です。
(工期2018年10月~2019年3月)

統括所長

弘田 隆啓

統括所長

宮本 俊二

現場担当

山岡 寧光

数字から、海中のブロックの位置を想像します。

統括所長

弘田

ケーソン工事は、ケーソンと呼ばれるコンクリート製の大型の箱を使って、防波堤などの基礎を造る工事です。
海中に基礎となる石の台を造って、そこに船で曳いてきたケーソンを沈めます。ケーソンがずれないように固定し、消波ブロックを置いて今回は完成です。

今回のケーソンは小さい方で、高さが約10メートルで重さは700トンほど。見た目は3階建てのビルくらいの大きさですね。沖に行けば行くほど大きなケーソンになります。迫力がありますよ。

ケーソンは空洞の箱型になっていて、その中に注水することで30分くらいかけて沈めます。沈めている途中に波を受けて動いてしまったら、水を抜いてやり直さなきゃならないです。ケーソンが沈みきったら潜水士さんに潜ってもらって、周囲の目地の間隔を測ってもらって状態を確認します。
自分の目で見て作業することができないので、そういった数字から、ブロックの位置を想像します。

現場担当

山岡

私は入社後、港湾土木事業に配属されて2年目ですが、港湾の仕事はスケールが大きいなと感じました。ブロックを吊ったりケーソンを据え付けたり…大きな仕事をやっている!という満足感ややりがいを感じます。

全員の意識が同じ方向を向いているということ。

現場担当

山岡

スケールが大きいぶん、事故への怖さも大きいです。私は作業管理側なので、作業員の皆さんがケガをしないように気をつけています。
安全に作業を進めるには、私たちと参加される作業員の皆さん、全員の意識が同じ方向を向いているということが一番だと思っています。
「この作業にはどんな危険があって、どう注意するべきなのか」ということを、みんなが同じように認識するということですね。日々の朝礼や打合せで私たちの目指す方向を理解してもらうのが私の仕事だと思います。
あとは、みんなが朗らかな気持ちで仕事できるように意識していますね。その方が実力が出せる気がするので。

統括所長

宮本

ケーソンを立てるときは、波によってワイヤーロープを巻き込んだり、ロープが切れる恐れがあるので、特に安全に気を使います。具体的には、ロープ周辺から離れること、内角に入らないことを徹底します。クレーンが揺れると吊っているブロックも揺れますので危険です。

自分の仕事が、港の人々を守るんだ。

統括所長

弘田

発注者の希望を忠実に守ることも大切です。最近ではコンクリートなどの構造物の綺麗さを求められますね。
例えば「コンクリート表面にアバタが出ないように」というご要望とか。

ケーソンを造る時は、型に液体の状態のコンクリートを流し入れ、それを振動させて中の空気を抜いてから固めます。振動処理が足りないとコンクリート内に気泡が残り、型枠を外した時に表面にその気泡がアバタとなって残ります。
つまり、アバタが出ているコンクリートは内部に細かい穴ができていて、強度が低い。逆に表面が綺麗なコンクリートはきちんと空気が抜けていて、十分な強度を保っているということになります。品質が見た目に出るんですよね。なので、なるべく綺麗に作りたいなと思って何年もやっています。

統括所長

宮本

今回は1シーズンに2函のケーソンを沈めますが、この先何十年もかけてさらに据え付けていきます。高知の港湾土木事業はケーソン工事が中心です。高知県は太平洋に面していて波が荒く、防波堤は欠かせません。自分の仕事が港の人々を守るんだという意識でやっています。