裏方のプライド。

面倒は大好物だ。難題であるほど武者震いする。
自分たちにしかできない仕事があることを、誇らしく思う。
それが自分たちだ。
もちろん、現実はそう簡単にいかない。いくわけがない。
立ちはだかる壁は高いほうがいい。口ではそう言うが逃げ出したくなることもある。
だが、逃げたら終わりだ。

自分たちの奥底には、
歴史を動かし日本の礎を築いた土佐の志と気骨が息づいている。
先人から受け継いだ遺伝子に背くわけにはいかない。
だからこそ歯を食いしばり、死にものぐるいで知恵をふりしぼる。
困難を乗りこえた夜明けが必ずある。自分たちの成果を心待ちにする人たちがいる。
そう思い、知恵と力をひとつに集め、現場に汗を記す。

橋の上を肩を並べて歩く二人。
堤防の上から水平線の先に夢を馳せる人。
灯りの中で語らう家族。
平和でなにげない人々の姿を見るときに、それらは、
我々が成し遂げた大仕事の成果だと、
拳で胸をたたく小さな幸せがある。

決して表舞台ではない。
輝く主役を支える、誇り高き裏方。
その裏方こそ、私だ。

大旺新洋