社員インタビュー

心の中にある、熱くて開放的な自分を活かせる場所

白川 太 東京支店 土木部 統括所長

土木工事は「人」の仕事

入社以来、陸上の土木工事に30年近く携わってきました。土木の工事というのは、下水工事や造成工事、基礎工事といったものが多いのですが、それを一括して元請けとして受注することもあれば、単体の下請けとして仕事をさせていただくこともあります。最近は下請け工事を請け負うことも少なくなりましたね。
ただ、社会を支える裏方という意味でも、工期や予算が厳しい中でなんとか仕事をしてきた下請けの経験が、私にとって大きな財産になっています。ひとりで受け持つ範囲が広いうえ、10も20も年上の現場の作業員さんたちに仕事をしてもらわなければならない。そこでコミュニケーションの大切さを痛感しました。やはり、情報をきちんと共有し、現場に携わる人々と信頼関係を築けないと、現場はまわらないんですよね。
現場所長という立場になった今でも、作業員の方々には「仕事をしてもらっている」という気持ちを忘れないよう、肝に銘じています。

現場所長としてのこだわり

現場でのコミュニケーションのひとつとして、トイレや休憩所の掃除は自分がやると決めています。一日2回の休憩前に掃除をして、作業後も掃除をする。やっぱり、休憩所が汚いと現場も汚くなってしまうんですよね。それに、作業員の方々には気持ち良く働いてもらいたい。だから、部下に「そんなこと私がやります」と言われても、これは私のこだわりとして自分でやるようにしているんです。
加えて、私が重要視しているのは「五感を働かせること」。現場をよく見て、聴いて、土を触り、匂う。危険というのは時間をかけて探しても意味がないわけで、その予兆に瞬時に気付くことが大切なんです。そのために五感を研ぎ澄ませて仕事にあたろうと、強く意識しています。
とにかく事故を起こさないことが最優先。仕事の行き帰りだって同じです。作業員さんには現場まで車で2時間かけて来てもらうこともありますが、渋滞で遅れそうになっても「遅れていいから、絶対に飛ばさないで!」と言っているんです。

忘れられない「お疲れ様」

自分の原点と言える仕事は、平成元年に茨城・古河で携わった「中田樋管改築工事」ですね。工事の最後には竣工検査というものがあり、公共事業なら国や役所が完成した施工物を検査するんですが、このときも2年ほどかけて完成した構造物・堤防がようやく検査を迎えました。
当時はまだ若くて、国土交通省の方々に対してどうしても近づきがたい印象を持っていました。しかし、検査を終えると国交省の方がやってきて、「よくがんばったね、お疲れ様」と声をかけてくださったんです。
すると「苦労してやってよかった!」という気持ちが急に湧き上がり、人目もはばからず泣いてしまったんです。さらに、当時の現場所長が「俺たちはこの一言をもらうために仕事をしてるんだ」と言ってくれたことで、余計に泣けて。さすがに仕事で泣くようなことはこの一度きりでしたが、この瞬間があったからこそ、今でも私は現場に立っているんだと思います。

私の中の、裏方としてのプライド

この仕事における私のスタンスを一言で言うなら、「頭は低うて、プライドは高うて」ですね。人から見てこっけいなことでも、それが実となり花となると思えればトイレ掃除だろうと何だろうと一生懸命やる。人と会話するときだって、自分が頭を下げていれば相手も話をしやすいし、聞きやすいじゃないですか。
それでも、あくまで「プライドは高く」。正直、私には「会社のために仕事をしている」という考えはそれほどありません。「自分にしかできないことがある」という誇りを持っているから、今でも仕事をさせてもらえているんだと思うんです。それが結果的に会社のためになっていたとしても、あくまで後からついてきたこと。常に自分がそのときできることを全力でやるだけなんです。
とはいえ、至らない部分はみんながフォローしてくれる会社だから、思う存分やれているのかもしれませんけどね。でも、こんな風に自分と格闘しながら仕事をするのもおもしろいものですよ。