社員インタビュー

渡邊 享洋 名古屋支店 土木部 統括所長

目に見えずとも、社会に息づく仕事

土木は現場だけにあらず

統括所長として、工事の現場にいる際は全体の運営、管理を任されています。現場の運営や発注者との折衝のほか、安全管理、工程管理、原価管理など、工事を安全でスムーズに進めるためのあらゆる管理を行う必要があります。我々の仕事は問題なく完了して当たり前、間違いは許されません。現場にいるときは、常に細かいところまで目を配るように心がけています。
一方で、現場に出ないときのオフィスワークも重要です。仕事を受注するには、発注者の課題に対して高品質の工事を提案する必要があります。そのために工事費などを算出する積算業務や、ニーズにかなう技術提案を進めています。
また近年では、国土交通省でも土木工事に情報通信技術を導入する「i-Construction」を推進するなど、技術革新が急速に進んでいます。そうした技術の移り変わりに対応するため、ドローンやGPSといった新技術の活用にも積極的に取り組んでいますね。

現場所長としてのこだわり

説明会の様子

仕事において大切にしているのは、「自分の物差しで考えない」こと。自分は健康なので反射神経もあるし、自由に動けます。でも、私たちが携わる造成物は、子どもからお年寄りまで様々な人が利用することもあるんです。
そのため、「急に子どもが走り出しても事故にならないか」「お年寄りが段差に足を引っ掛けないか」といったように、自分の感覚だけでなく、いろんな人の目線・感覚に置き換えて現場を見るようにしています。
また、工事の過程においても他者の目線を持つことは大切です。例えば、私たちの現場は近隣住民の方々の協力がないと成立しません。税金でまかなっている公共工事が多いだけでなく、工事自体がご迷惑をおかけすることもあります。
そこできちんと理解・信頼を得るには、説明会でわかりやすい解説を心がける、地元の方の声に耳を傾け、問題があれば計画に反映するなど、相手の立場にたって仕事をしなければならないんです。

状況に応じた対応が求められる現場

鉄筋が組み立てられていく深礎杭

印象的な現場といえば、長野県上伊那郡飯島町での「153号伊南バイパス2号橋下部工事」ですね。渋滞解消、沿道環境の改善、交通安全の確保を目的としたバイパス工事で、橋脚の基礎は直径11m、深さ32mの大口径深礎杭と基礎も大きく、地下水や軟岩に苦労しながら掘削したのを覚えています。
現場では発注者と地主との交渉が遅れ、工期の短縮が求められていました。そこで当社から提案したのが、ガス圧接から機械式継手への変更です。深礎工事の鉄筋組立作業で鉄筋をつなぐ継手を機械式に変更すれば、工期を早め、地下での火器使用は避けられるはず。結果としてコストは多少かかりましたが、作業員の安全を考慮しながら、工期を約1か月半短縮することができました。
また、橋脚のコンクリート施工に伴うひび割れを制御するため、生コンクリートに-196℃の液体窒素を直接吹き掛け、温度を低下させた後に打設する工法を初めて実施したことも印象深い出来事のひとつです。

私の中の、裏方としてのプライド

個人的には、自分が裏方だとはあまり思っていないんですよね。自分の仕事に誇りを持っていますから。手がけたものが人の目を触れない部分だったりする意味では、裏方なのかもしれませんが。ただ、外から見えないインフラ整備なども含めて、人々の役に立つ、使えるものを造っている。利用者、発注者にとっては商品であったとしても、自分にとっては作品だという思いがあります。それが私のプライドなんでしょうね。
旅行などで出かけた際も、自分が携わった現場の近くを通ると必ず立ち寄るようにしています。宅地造成のために下水管を手がけた現場なら、後からきれいに家が並んでいたりする。そこでマンホールしか確認できなくても、「これがこの家々の暮らしを支えているんだな」と感じることができるんです。
自分の仕事がどのように着地したのか、どのように使われているのか、それをこの目で確かめる度に、プライドも積み重なっていくんだなと思います。